ホームインスペクションが登場したのは、2012年です。国土交通省が、消費者が中古住宅の取引時点の物件の状態・品質を把握できるように、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定しました。検査・調査を行う者はガイドラインに則り結果を提示します。その為、国が用意した物差しを使ってそれぞれの住宅の具合を測ることができるようになったのです。豊臣秀吉が全国で使われていた枡の大きさを統一したという話を思い出しますね。

このインスペクションは、2018年から中古住宅売買において義務化されました。省略しての説明になりますが、売買に関わる業者は次の３つを行う義務があります。

1. 「インスペクションしますか？」と聞き、説明すること。
2. 調査結果を買主に説明すること。
3. 建物の現状について、売主と買主の両方に書類で説明すること。

このように、インスペクションしましょうという流れは、世帯数の減少やエネルギー問題に対応していくためでもあります。住宅を使い捨てにしないで、長く快適に住まうことができる住宅を作り受け継いでいくことを、国や自治体が後押しするよう変わってきているのです。