暖かい部屋から寒い廊下にでて寒いトイレに行く。この暖かい寒いの繰り返しが血圧の上下につながり、健康被害につながってしまうことがあります。それを回避するため、トイレや脱衣所にも暖房器具を置くなど、工夫しているという話もよく耳にします。

ヒートショックがよく起こる場が浴室であるということも広く知られています。暖かい部屋から浴室に移動するまで寒い箇所を通らないルートを用意していきたいですね。また浴室自体も、モルタルにタイル張りで窓はシングルガラスにアルミサッシという状況では、断熱性能がとても低く不安です。そのような浴室の場合はユニットバス化することで温熱環境を改善することができます。

トイレとそこまでのルートも暖かく保つことも重要です。冬の朝方に、暖かい布団から出て寒い廊下を通り寒いトイレに入り倒れる、というケースも多く報告されています。

しかし、部屋それぞれを暖めることができても、廊下は寒いままであるというケースが多いのが現状です。そこで、日常的に使う部屋をひとまとめにし、その部分に対して断熱リフォームをおこないましょう。基本的にまとめたい部屋は、キッチン、食堂、寝室、風呂、トイレの５か所です。食堂とリビングがつながっている、寝室が離れているなど、簡単にひとまとめにできない間取りのこともあるでしょう。

一戸建て住宅の構造がわかるプランナーと間取りを再考していくと、扉の位置を変更する、壁をなくすなど、少しの工夫でひとまとめにできるケースもあります。経年劣化による水回りのリフォームを検討する際には、今までと同じではなく、部分断熱を取り入れることができるように、少し移動する、向きを変えるなど、先々のことを考えて調整していくことをお勧めします。